天才か秀才か魔法か毒

最近は訳あって、(エアリアルシルクとも関連深い) 印刷や繊維について勉強をしている。 勉強と言ってもせいぜい高校の化学か繊維・布地メーカーのカタログを読む程度のレベルなのだが、しかし印刷も繊維も奥が深い。 無機質な素材の規格や成分表の行間から浮かび上がってくるのは、いかに人間が野生の物質を、科学の力で手懐けようとしてきたかという歴史だ。 摩擦、熱、張力、歪み、酸化、破断、褪色、吸湿、静電気、全てをコントロールできたと思っても...…

思い切りだけはいい男女

安全第一とは良く言われるが、あれは嘘だ。(*1) なぜなら本当に安全を第一に優先させるならば、火星探索なんて進めない方がいいし、有人ロケットなんて打ち上げない方がいいし、車になんて乗らない方がいいし、エアリアルなんて危ないスポーツは今すぐにやめた方ががいい。 空中でクルクル回転なんかしてないで地上で当たり前のように生きていた方が位置エネルギー的にも運動エネルギー的にも安全に決まっている。自分の部屋からだって出ず、ただベッドでごろごろしていた方が身の安全は保証されるだろう。 だが、部屋に引きこもっている人間には...…

手袋をした男

どうやら手袋をしてエアリアルシルクをする人間は珍しいらしい。 東京のスタジオでもLAのスタジオでも、手袋つけてエアリアルやる人を初めて見ました、と口を揃えて言われる。その道20~30年のベテランパフォーマーにすら初めて見たと言われるので、場所を変えても、時代を遡っても、かなりの少数派であることに変わりはないようだ。 この手袋スタイルは、もともと...…

私のコーチング・チーム

エアリアルについては何が業界標準なのか私は未だに知らないのだが、例えばフィギュアスケートの場合、コーチは一人だけではなく複数人つけることが一般的だとハイレベルな元選手に教えてもらったことがある。 より正確には、コーチというよりコーチング・チームと並走すると考えるとのことで、例えば、メインのコーチが選手のトータルな成長に責任を持ち、コレオグラファーが独自のプログラムを設計し、さらには...…

始める自由と辞める自由

エアリアルを引退して半年以上が経った。 念の為に言っておくと、今生の別れをしてしまった訳でもない。健康な身体がある以上、誰かに完成品を見せるわけでもなく、自分だけの秘密の日記を書くようにシルクに触ることはあるかもしれない。…

エアリアル教材紹介①: Act Up! Challenge

ロサンゼルスの有名エアリアルスタジオに、The Loft (Womack and Bowman) がある。プロパフォーマーとしてクルーズ船、TV、映画、大規模なライブイベントなど世界中のステージを経験したBrett WomackとRachel Bowmanが作ったスタジオで、単なるフィットネスとしてのエアリアルではなく、プロフェッショナルな芸術としてのエアリアルを確立することを…

目に★が宿っている人の正体

2022年、JAXAの宇宙飛行士選抜試験をひとつ、またひとつと突破し、都度次のセレクションに向けて腐心していた後半過程にて、審査される特性の中に「表現力」という項目があった。(ちなみに割といいところまで行った。もちろん本当は月ミッションに参戦して380,000 km先の夜空から地球のみんなに手を振りたかった。。)…

100回の通し練

初めて (で一応最後のつもり) のエアリアルシルクの演技構成は、大会までの3ヶ月で100回の通し練をした。 厳密に4分の演技構成だったので、通し練をしていた時間だけで合計400分 = 6時間半を超えたことになる。 結果的には、それでも足りなかった。通し練…