不自由な選択肢

以前に成功や入賞ではなく失敗や敗退の数をノルマとして自分に課していくという話をしたが、挑戦し敗れることは実際のところシャレにならないくらい痛いので、経験した直後はそんな目標を立てた自分を呪いたくなるくらい後悔することになる。…

工芸的に美しい漸近 (演技構成の作り方2)

前回記事に続き、エアリアルシルクの演技構成の作り方メモ後半です。 人によって才能も培った技術も違えば、エアリアルをやる理由だって違うでしょう。自分に合ったスタイルというのも人それぞれで、構成・コレオは好きなやり方で作っていいモノですが、それでもどなたかの参考になれば嬉しいです。…

流れる

手放し率の話にも通じるのだが、シルクに登る前から一目見て特殊な訓練を積んだ人間だとわかるプロのエアリアルを見た時、最も意外に思えたのは、演技の中で実施する技の少なさだった。 あれだけの身体能力と技術があり、難しい得意技も沢山持っているのに、演技の中にはそれほど持ち込まず、技をしていない時間がとても長い。…

全力尽くしてもダメだったらそれもまた風流

始まりはいつも悪くない。 新しい体験に踏み出した時は全てが新鮮で、私を取り囲む未知の要素は、予期せぬ自分の変化と、これから起こるであろう冒険の予感を否応なく高めてくれる。 アルコールとカフェインと刺激的な人間の外交的な魅力とをまとめて一度に摂取した夜のように、弾ける心臓の鼓動は静まってはくれず、…

月でシルクを結ぶ日 (布と器具の強度について)

体重何キロぐらいですか?と女性に訊くのはマナーとして憚られるが、成人のエアリアリストなら女性でも大体 200kg 前後くらいの体重は一般的な範囲内だと思う。もちろん体重の測り方はこうだ。器具…

こんな近くに、あんなに遠く

エアリアルの大会というと、結果よりも参加すること自体に意義を見出す考え方もあるし、本番に向けた練習など、参戦を通じた成長そのものを価値と捉えることもできる。私もほぼ完全にその立場の人間だし、そもそも大会のためにエアリアルシルクをしていた訳でもない。…

手放すほど、上手くなる

私が尊敬するエアリアリストの一切の身体的雑音もない澄みやかなフローを見ていて気がついたのは、エアリアルシルクが上手い人ほど、シルクを支配しようと力を込める瞬間がほとんど見えないということだった。 つまり、手放すほどきっと、エアリアルシルクは上手くなる。…

消えないものから順に置く (演技構成の作り方 1)

自分だけのエアリアルシルの演技構成を考え、組み上げていくのは本当に楽しい。 それは技や表現のレパートリーが増えた人だけに開かれる遊びであり、自分が何を見てきて、何に傷つき、何を美しいと思ってきたのかをひとつの演技に向けて引きずり出せる棚卸しの機会でもある。…